2025/05/08

Taiwan Today

外交

中国機が台湾の防空識別圏に多数進入、台湾空軍は「断固妥協せず」

2021/10/04
中国機の度重なる防空識別圏(ADIZ)進入を受けて台湾の空軍が公開した動画のワンシーン。緊急発進する戦闘機、空域の動向を偵察する地上勤務の兵士たち、防空ミサイルの配備など、さまざまなシーンを組み合わせた動画で、兵士の士気を高めている。(空軍フェイスブックより)
国防部(日本の防衛省に相当)の発表によると、今月1日、台湾の防空識別圏(ADIZ)に中国機38機が進入した。1日の進入としては過去最多の規模となった。続いて翌2日にも39機が進入しており、2日連続で過去最多を更新した。
 
この異例の事態に対し、米国務省が米東部標準時3日(日)午前に声明を発表した。中国が台湾周辺で行う挑発的な軍事活動について米国は「非常に懸念している」とし、台湾に対する軍事、外交、経済方面での威圧や脅迫を停止するよう北京当局に求めた。この声明ではまた、米国がこれからも『台湾関係法』及び『6項目の保証』に基づき、台湾に対する盤石な約束を守り続ける立場を示した。
 
これを受けて中華民国(台湾)外交部もニュースリリースを発表し、「バイデン政権が週末にも関わらず、公式な声明を発表することで、中国の挑発的行為をけん責し、台湾に対する約束を守るとの立場を改めて示してこれたことに、心より感謝する」と伝えた。
 
また、台湾の空軍総司令部も、中国機による台湾ADIZ進入の増加は、「この地域の平和を破壊する行為であり、国民の反感と台湾海峡両岸の対立を無駄に高めるだけだ。空軍は断固としてこれに妥協せず、昼夜を分かたず持ち場を守り、厳しい監視と対応を図りたい。敵機が一線を越えることは絶対に許さない」と強調している。
 
空軍は同時に、フェイスブックで新たな動画を公開。緊急発進する戦闘機、空域の動向を偵察する地上勤務の兵士たち、防空ミサイルの配備など、さまざまなシーンを組み合わせた動画で、空軍少将であった故・高志航(1908-1937年)が残した「空軍として、敵機に自分の頭上を飛ばせてなるものか!」という言葉を引用し、兵士の士気を高めている。
 

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